クラウドカルテblancクラウドレセコン WebORCA クラウド版情シス代行サービス診療文書管理・診療業務支援ソリューション Yahgee/CITA
水海道さくら病院 紙カルテからの全面転換で実現した「働き方改革」と「DX推進基盤の構築」

サマリー
水海道さくら病院では、紙カルテ中心の運用により、情報の分断・夜間緊急時の対応困難・カルテ所在の不明など多くの課題を抱えていました。これに対し、クラウドベースのネットワーク基盤を全面構築した上で、クラウド型電子カルテ「blanc」をはじめとする統合的な医療情報システムを導入。コミュニケーション基盤もMicrosoft Teamsへ移行しました。導入後は494件の課題・要望を体系的に管理し、78.9%を解決。場所を選ばない情報アクセス、チャット中心の柔軟なコミュニケーション、強化されたセキュリティにより、業務効率と職員満足度が大きく向上。単なるシステム導入にとどまらない「働き方改革」と「継続的DX推進の基盤構築」を実現しました。
導入システム概要
| 区分 | システム |
| 電子カルテ | blanc(亀田医療情報株式会社) モバカル(NTTプレシジョンメディシン株式会社) |
| 統合データベース | CITA(富士フイルムメディカル株式会社) |
| 文書管理・作成 | Yahgee(富士フイルムメディカル株式会社) |
| レセプトコンピュータ | webORCA |
| コミュニケーション | Microsoft Teams |
導入前の課題
ネットワーク環境の問題
水海道さくら病院様では、紙カルテ運用が中心であったため、病院全体にネットワークが導入されていない状態でした。また、既存のネットワーク機器はサポート期間が切れたものや用途不明の機器が残存しており、セキュリティ上のリスクも抱えていました。
コミュニケーションと情報共有の課題
院内の連絡手段は電話が中心で、相手が出なければ折り返し待ちとなり、医師の状況を鑑みて連絡タイミングを調整する必要がありました。相手の在院状況もわからないため、連絡がつくまでストレスを抱える場面が日常的に発生していました。
紙カルテ運用の限界
夜間の緊急時には、医師が自宅から紙カルテを確認できないため、連絡者がカルテの内容を口頭で説明する必要がありました。また、紙カルテを誰かが持ち出すと所在不明となり、他部署や他科がカルテを確認できないという情報分断の問題も抱えていました。
実施した施策
現状把握と課題の可視化
まず、ITインフラアセスメントを実施し、現状の棚卸しとあるべきネットワークの設計を行いました。電子カルテ導入に向けた課題・要望は、外来業務、入院業務、処方・注射、検査、手術、透析など34の業務領域に分類して体系的に管理しました。
ネットワークインフラの刷新
将来的な拡張性を重視し、クラウドベースでセキュリティの高いネットワークを構築しました。また、院内のどこからでもアクセスできる環境を整備するため、全館にWi-Fiを設置しています。
セキュリティ対策として、複数のセキュリティ機能を統合したネットワークセキュリティシステム「UTM(統合脅威管理)」、ネットワーク接続を集中管理する「RADIUS認証」、安全なデータ通信を実現する「VPN(仮想専用線)」を導入しました。
端末・ツールの刷新
業務内容に応じた適切なスペックのPCを選定・配備するとともに、医師にはLTE対応ノートPCを支給し、院外からもアクセス可能な環境を整えました。コミュニケーションツールは、内線電話からMicrosoft Teamsへの移行を在宅医療部門から段階的に進めて院内全体に広めました。また、医療従事者向けにスマートフォンを全面導入しました。
電子カルテシステムの導入
クラウド型電子カルテ「blanc」、「モバカル」を導入し、場所を選ばずアクセスできる環境を実現しました。文書管理システム「Yahgee」により文書作成支援やデータ集計が可能となり、統合データベース「CITA」によってカルテ・スキャン文書・画像等をシームレスに管理できる体制を構築しました。
導入効果
業務効率の向上
院内全域にWi-Fiが整備され、どこからでも業務システムにアクセスできるようになりました。「待つのが当たり前」だったPC起動もスムーズになり、ストレスが大幅に軽減されました。導入前は「特に困っていない」という声もありましたが、導入後は「便利になった、今までの環境が信じられない」という声に変わっています。
情報アクセスとコミュニケーションの改善
病院内のどこからでも情報にアクセスでき、情報共有のスピードアップと移動時間の短縮を実現しました。医師には院外からも医療情報システムにアクセスできる専用端末が支給され、場所にとらわれない働き方が可能になりました。
コミュニケーションはチャット中心に移行し、相手の状況を気にせず連絡できるようになりました。各種通達はペーパーレスかつぬけもれが無くなり、また会議の数は減少しましたが、グループチャットでの気軽な相談が増え、多忙な業務の合間をぬってのディスカッションの機会はむしろ増加しています。非同期コミュニケーションにより、より柔軟な働き方が実現しました。
セキュリティと利便性の両立
UTM、RADIUS認証、証明書ベースの認証によりセキュリティ対策を強化しました。セキュリティ強化による業務への影響については、院内スタッフに背景と趣旨を丁寧に説明し、理解を得た上で運用しています。並行して、情報セキュリティリテラシーの向上にも取り組んでいます。
導入後の継続的改善
導入後に発生した課題・要望は、34の業務領域にわたる494件を体系的に管理しています。このうち390件を解決し、解決率は78.9%に達しています。残りの課題についても計画的に対応を進めています。
各業務領域においては、現行の業務フローを詳細に分析した上で、電子カルテシステムを活用した最適なフローを提案・実装しました。予約・受付業務の効率化、看護記録の電子化と標準化、各種検査の依頼から結果確認までの一連フローの電子化、手術・透析の同意書管理や多職種連携の円滑化など、幅広い領域で業務改善を実現しています。
成功のポイント
徹底した現状把握
ITインフラアセスメントにより、「こういうものだ」と思い込まれていた問題点を可視化しました。見えていなかった課題を明確にすることで、改善の必要性を組織全体で共有できたことが出発点となりました。
体系的な課題管理と継続的改善
494件の課題・要望を34の業務領域に分類し、優先度をつけて計画的に対応。一度に完璧を目指すのではなく、78.9%の高い解決率を維持しながら継続的に改善を進めています。
セキュリティと利便性の両立
セキュリティ強化による業務への影響を最小限に抑えるため、スタッフへの丁寧な説明と教育を実施。理解に基づく運用により、セキュリティと業務効率の両立を実現しました。
将来を見据えた拡張性
クラウド型電子カルテの導入により、生成AIやRPAなど新技術との連携が容易な基盤を構築。継続的なDX推進の土台を整えました。
株式会社シーズ・ワンは、現状調査から導入、運用定着、さらなるDX推進まで、医療機関のデジタル変革を総合的に支援いたします。
※本事例は2025年10月の導入実績に基づいています。